にぼしのリタイア日記

鬱病でサラリーマンをリタイアした56歳男の復活日記

中間管理職の犠牲で成り立つ企業・・・壊れるくらいなら逃げ出すべきだ

この記事を読んで「全くその通りだ」と思った・・Orz
news.yahoo.co.jp
横山信弘氏の記事では、
逃げるようにして辞めた中間管理職
「このたび一身上の都合により今月末で退社することになりました。本日が最終出社日です」また連絡があった。大手商社の課長からのメールだ。年齢は42歳。年収は軽く1500万を超えるだろう。再就職先は決まっていないと聞いた。他人事だが、今後について心配になる。
2019年、好業績でも人員削減(リストラ)に着手する企業が次々とあらわれた。いわゆる「黒字リストラ」である。2020年は、ご存じのとおり業績不振による「赤字リストラ」が急増している。もちろん原因はコロナだ。しかし、先述した「黒字リストラ」も目立たないが着々と進められている。
大手商社を退職した、この課長もその一人だ。会社が40歳以上の管理職を対象にした希望退職者を募った。そしてその課長は迷わず手を挙げた。
20代、30代、家庭を犠牲にしても頑張れたのは、課長になれば少しはラクになると思ったからです
しかし働き方改革で、私たち中間管理職にものすごいしわ寄せが来た。もう無理です。コロナが決定打でした
なぜ早期退職を希望したのか。働き方改革とコロナ禍で疲れ切っていたからだ
「召使い人生?」の中間管理職
中間管理職が消耗している。その理由は、働き方改革であることは間違いない。
年間5000名以上の中間管理職を対象にセミナーや講演を続けている私は、彼ら彼女らの考え方、価値観の変遷が手にとるようにわかる。働き方改革に対し、公然と不満を口にする中間管理職は多い
「過去のやり方を変えたくない」
という古い気質の人もいるが、それより多いのは、
我々の仕事が増えるばかりだ。それにこんな制約ばかりでは、若い人も育たない
という声である。働き方改革が組織の新たな問題を顕在化させていると嘆く声だ。
昨今、強い態度で部下に接することをご法度とする「風潮」が横行している。これはあくまでも「風潮」であり、若者たちがそれを望んでいるかどうかは別の話だが、しかしこれは紛れもない事実である。
躾のつもりで言っているのに、すぐパワハラだ! と指摘される
ちょっと強めに指導したら、3日後に辞めていた。そのせいで社長から減給処分を言い渡された
この「風潮」のおかげで、ここ何年もの間、中間管理職が強い態度をとることができないでいる
ここで昨今注目されているリーダーシップ哲学を紹介しよう。「サーバントリーダーシップ」である。「サーバント」とは「召使い」という意味で、サーバントリーダーシップとは、部下に対して召使いのように奉仕し、相手をリードするというリーダーのあり方を指す。
わからないでもないが、40代、50代の中間管理職には残酷な発想だ。自分が20代のころは上司の召使いのように働かされてきた。「やりがい」だの「働きがい」だのと口にしたら、
「俺の言うことが聞けないのか!」
「つべこべ言わずにやればいいんだよ」
と激しく叱責された。
そんな世代が、いざ上の立場になったとたん、今度は部下たちのサーバント(召使い)になれと世間が言う
これでは「召使い人生」ではないか。私が、彼ら彼女らの心の声を代弁したら、
やってられるか!
ではなかろうか。
中間管理職を取り巻く4つの制約
現在、中間管理職を取り巻く環境は残酷だ
まず先述した「風潮」のおかげで、
1)態度の制約
がある。「いいからやれ」「つべこべ言うな」と部下に指示できた時代はラクだった。しかし、部下の「やりがい」「働きがい」をアップできるような態度をとれ、コミュニケーションスキルを磨けというが、いくらなんでも、そう簡単に身につけられるものではない。
心掛けでできると思っているのだろうか。ヒドイ会社になると、
「中間管理職は全員コーチングの技術を身につけよ」
などと指図する。しかし、これは、
「部下とのコミュニケーションはすべて英語にしろ」
と言われるよりもキツイ。プロの視点から書かせていただくが、1年や2年、コーチングを習ったぐらいで、その技術でもって人を誘導できるようになるほど簡単ではない。
簡単に身につかない、そんなコーチング技術だからこそ、本物のコーチの力は偉大なのだ。
次に、
2)時間の制約
がある。働き方改革関連法により「時間外労働の上限規制」「有給休暇義務化」が施行された。
遵守しなければ罰則があるため、強制的に労働時間が減った。
さらに、
3)人の制約
も無視できない。人口縮小社会に入った日本では、慢性的な「人材難」だ。労働時間が短くなり、従業員も減れば、企業における総労働時間がぐっと減ることになる。
それでも業務量が減らなければ、誰にしわ寄せが来るのか?
部下を育てる時間もなければ、育てる部下も足りない。そうであれば、中間管理職が代わりにやるしかない
在宅勤務の部下をどうケアするか?
コロナ禍において、さらに残酷な問題が発生した。
4)移動の制約
である。
在宅勤務する部下を直接気に掛けることができなくなった。物理的距離のみならず、心理的距離も離れた。
それでも組織の「心理的安全性」を高めよと会社側から言われれば、
どうすればいいんだよ!
と叫びたくなる中間管理職も多いだろう。
不測の事態に対応するためには、当然余裕がなければ無理。心も体も壊れてしまう
しかし働き方改革によって中間管理職にしわ寄せが来ている以上、
コロナ対策を徹底しろ
在宅勤務の部下をうまいことケアしろ
DX(デジタルトランスフォーメーション)を使いこなせ
と言われても、
できるか!
と言い返したくなる。冒頭に紹介した課長のように、バーンアウトする前に早期退職したくなる人も増えるはずだ。
「嫌われる勇気」を持て
私は現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。もちろん世の中の多くの中間管理職はもっと努力したほうがいい。しかし会社も世間も、中間管理職に頼りすぎている点は自覚したほうがいいだろう。
そのほうが若者は覚醒し、主体性をもって仕事に励むはずだ。
中間管理職の犠牲のもとに成り立つ企業など、永続しない
私はもっと中間管理職はドライになったほうがいいと思っている。大ベストセラー『嫌われる勇気』に書いてあるとおり、「課題の分離」を心掛けるのだ。
「ここまでは私の課題だ。その課題解決のために一所懸命にやる。しかし、ここからは部下の課題であるし、会社の課題だ。これ以上はムリ。私の責任ではない」
会社や部下に嫌われる覚悟で、自分の職務をまっとうするのである。それで部下が変わらなければ、もうしょうがないと割り切る。そうしないと、自分自身の市場価値が下がり、いざ40歳を過ぎて転職する際に、どこにも通用しない人材に成り下がっている可能性がある。
それでは、あまりに寂しい仕事人生だ。まもなく到来する大リストラ時代に備えてほしいと報じている。
・・・・・
この記事は珍しく正確に現在の中間管理職の現状を表していると思う。
働き方改革によって瀕死の重傷を負った中間管理職がコロナによってトドメを刺されようとしている
このままでは大半の企業の中間管理職が壊れ、日本全体の競争力が落ちてしまうと思う。
なんとかならないものだろうか?
もし、今、壊れかかっている中間管理職の方がこの日記を読んでおられたら
壊れるくらいなら休職するなどして逃げ出すべきだ
と言いたい。